暑さもたけなわとなってきた今日この頃、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?
窓を開けて網戸をしめ、扇風機の前に陣取って涼を求めていますか?
それともクーラーをガンガンに効かせた室内でゴロゴロ?
せっかく台湾へ来ても、博物館や美術館の他は涼しいカフェでばっかり過ごしている……
なんてことはありませんよね?
せっかく夏が来たのですから、そんな勿体無いことをしている場合ではありません。
ここはひとつ、外へ出て思い切り遊びましょう!
ではどこへ遊びに行くかと言う話ですが、ここはやはり夏らしく、海へ遊びに行くのはいかがでしょう?
前回は龍洞(ロントン)のダイビング情報をお伝えしましたが、
ダイビングはちょっと敷居が高いと感じてしまう方もいらっしゃったかもしれませんね。
でも大丈夫、台湾は島国ですから、周りは全部海です。
ダイビング以外にも、海で遊ぶことのできるスポットはたくさん存在します。
今回はそんな海遊びスポットの中から、「福隆(フーロン)」という名前の海水浴場をご紹介しましょう。
福隆海岸の場所と行き方
福隆海水浴場は新北市と宜蘭県の境目あたりにあります。
龍洞は九份から東へ進んだところにありますが、そこからさらに海沿いに宜蘭の方へ向かっていくと福隆にたどり着きます。
上のように書くと福隆は龍洞より到着までに時間がかかるように聞こえてしまいますが、
そんなことはありません。
福隆のいいところは、台北から台湾鉄道に乗れば、乗り換えなしの1本で行くことができるという点です。
自強号に乗れば片道128元(480円程度)、1時間ほどで到着してしまいます。
莒光号や區間車に乗ると運賃は若干割安にはなりますが、値段に反比例して到着までの時間がちょっとずつ長くなっていきます。
とはいっても距離が遠くない都合最大でも片道1時間30分程度ですから、83元(300円程度)の区間車きっぷを買って、
窓の外の風景を眺めながらのんびり列車旅をするのもいいかもしれませんね。
駅で直接チケットを購入できるほか、台湾鉄道のウェブサイトを利用して予めチケットを予約、
クレジット払いや台湾のコンビニでチケットを受け取ることもできますので、日本にいるうちに事前に予約してしまうのもアリです。
「列車時刻查詢」というボタンを押すと電車の到着時刻を調べられるとともに、チケットを予約することができます。
ページ上部に日本語への表示切り替えができるボタンもありますよ。
乗車駅(出発駅)は「台北/基隆地区」の「台北」、
降車駅(到着駅)は「台北/基隆地区」の「福隆」に設定してくださいね。
電車を降りたら、福隆海水浴場へGO!
福隆駅に降り立ったら、目の前に海が広がっている……というわけではありません。海までは10分ほど歩きます。
改札口は一つしかありませんので、改札を出たらそのまままっすぐ前へ進みましょう。
大きな道路を渡り、右側にかき氷屋のある道へ入って食べ物屋台があるエリアを過ぎて突き当りまで行ったら、
左側に細い道がありますのでそちらへ曲がります。
ちなみにこちらはいわゆる裏口のような道で、この他に正門へ続く正面通りのような道もあるのですが、
正門へ行くためには車の交通量が多い大きな道路の道路脇を通る必要があるので、
私はこちらの道から入ることをおすすめします。
海岸へ行く途中、猫をたくさん見ることもできましたし。
小道に入った先に福隆海水浴場への入場チケットを販売している小さなテントがありますので、
そこで100元(370円程度)でチケットを購入したら、あとは大きな橋のある方へ歩きます。
そう、海岸へ行くには、大きなアーチ状の橋「彩虹橋」を渡らなければならないのです。
わざわざ橋を渡って海岸へ行くというのが、かなりワクワク感を誘います。
橋の上からは、海岸を陸と隔てる形で流れる河と、
遮るもののない大海の両方を同時に望むことができます。
福隆海水浴場は、ほかの海岸にはあまり見られない不思議な形状をしています。
海岸の陸部が2つの水部に囲まれているので、
まるで水の中に砂浜がぽっかりと浮かんでいるように見えるんですよね。
河と海の深みの青に海岸の白が横たわっているので、砂浜が際立って目に鮮やかに写るんです。
それを虹みたいな形の大きな橋の上から見下ろすわけですから、もうテンションがダダ上がりです。
橋を渡ればすぐそこに、青い海と白い砂浜が私を待っている!みたいな。
サンドアートフェスティバル
さて、虹の橋を渡ってすぐに砂浜で遊ぶのもいいですが、私が真っ先に向かったのは、
当時まだ福隆海水浴場で開催されていたサンドアートフェスティバル会場でした。
福隆海水浴場は毎年4月〜7月の半ば頃にかけて、サンドアートフェスティバルのイベント会場になっています。
世界各国のアーティストがこのイベントに参加していて、おのおのに表情豊かな砂の彫像を制作しています。
日本人のアーティストも参加していて、金賞を取ったこともあるんですよ。
サンドアートフェスティバル会場をウロウロして思ったのが、なんとも台湾らしいというか、
中華圏味あふれる作品が多いということです。
例えばこちらは船に乗る船乗りたちのサンドアート。
大海へ乗り出した船乗りたちの様が活き活きと表現されていますね。
そしてその反対側には……
鄭成功!
鄭成功は西暦1600年代の人で、当時台湾を統治していたオランダ東インド会社を台湾から追い払った大英雄です。
日本だと近松門左衛門の浄瑠璃、『国姓爺合戦』に題材が取られていることで有名ですね。
その英雄の姿が、当時の海軍の利用していた船とともに雄々しく作り上げられています。
まるで中華圏の映画のワンシーンでも見ているかのようで、中国時代劇好きとしてはたまりません……。
他にも、将棋を指している古装のおじさんたちの砂像があったりだとか。
このおじさんたちの後ろに配置されていた砂像はみな中国将棋の駒を持っていたり
像の一部に将棋の駒の漢字が彫り込まれていたりしました。
会場がまるでひとつの将棋盤のようになっているというわけです。
こうした会場のコンセプトはやはり、中華圏ならではのものだなぁ、と思います。
もちろん中華圏味あふれる作品のほかにも、
世界各国の方々が作ったものらしいサンドアートの作品がたくさんありました。
そして会場の中央に設置されている作品の大きさといったら!ちょっとした小山のようです……。
スケールの大きさに度肝を抜かれたサンドアートフェスティバル会場でもありました。
福隆では必食!福隆便當を食べよう!
福隆海水浴場で海辺の風景を堪能したら、もう一つ忘れてはならないのが「福隆便當」です。
便當とは何かというと、日本語のお弁当のこと。
ようするに福隆駅の近くで販売しているお弁当という意味で、
いわゆる日本の駅弁のようなものと考えていただければ良いでしょう。
お弁当を売っているお店は複数あります。
お弁当の具材は決まっていて、角煮、煮卵、ソーセージや菜埔と呼ばれる切り干し大根のようなもの、
キャベツなどの食材が白いご飯の上に載せられています。
どのお店でお弁当を買っても概ね同じ食材が入っているのですが、
味付けがお店ごとにちょっとずつ異なります。
友達や家族と行ったりする時は、全員で同じお店のお弁当を食べるのもいいですが、
複数店舗のお弁当を購入して食べ比べしてみるのも良いでしょう。
個人的な感想ですが、多分お腹が空いていれば、2つくらいはいけそうな分量です。
一箱65元(240円程度)と価格が大変お安いのも魅力のひとつです。
ちなみに福隆弁当、箱にも特徴があって、
どこの店で買っても大体蓋が赤くて紙箱の裏側にはアルミ箔の加工がされています。
これはアルミ箔の保温性を利用してお弁当が悪くなるのを防ぐためで、昔はよくこのお弁当箱が使われていたそうですが、
現在は多くのお弁当がプラスチックの箱に取って代わっています。
そうしたことから、今でもこの箱が使われていることは福隆便當の特徴の一つになっているのだそうです。
夏が長くて暑い台湾らしい工夫が、今も残されているわけですね。
まとめ
海辺でのんびりできて台北からの交通も便利で美味しいものもある福隆、とても楽しかったです!
惜むらくは私が訪れた日はちょうど台風が接近していて海に入ることができなかったのですが、
そうした状況下でも河に面した方の浜で水遊びをしている人たちは結構いましたし、
私も膝下くらいまで浸かって水遊びしました。
また今回は利用しなかったのですが、入場にお金を取るだけあってこの海水浴場、
水着に着替えるための更衣室や、
荷物を置いておくことができるコインロッカーもちゃんと設置されています。
海で遊んだあとに砂を落とすためのシャワーもあるという結構至れり尽くせりな海岸、それが福隆海水浴場というところです。
また海だけでは物足りない場合は、レンタル自転車で付近を散策することもできます。
サイクリングロードを通って隣の駅まで散策している人も結構見かけました。
色々とり揃ってて楽しくて便利な福隆海水浴場、ぜひ遊びに行ってみてくださいね!