台湾

台湾南部にあるもう一つの故宮博物院「故宮南院」とは?

中華人民共和国の首都、北京市の中心からやや南に位置する、黄色い屋根の巨大な木造建築群。

明並びに清王朝の宮殿であった紫禁城は、古の宮殿という意味で「故宮」とも呼ばれています。

現在は博物館として中に入ることができるこの建物ですが、内部を観光していると、ふと思うことがあります。

王宮というだけあってかつてこの建物の中には宝物が溢れかえっていたのだろうけれど、今それらの宝物は一体どこに保管してあるのだろう、と。

もちろん北京の故宮博物院の中に展示されている文物もありますが、とりわけ優れた文物は台湾の故宮博物院に保管されていると言われています。

というのも第二次世界大戦後に起きた国共内戦で旗色が悪くなってきた蒋介石率いる中国国民党(のち中華民国政府)の軍が、北京の故宮博物院から第一級の所蔵品を選んで台湾へと運び出したためです。

ちなみに蒋介石氏は1937年に日本軍が華北へ侵攻したときにも、戦火を避けて文物を南方に避難させています。

そうして台湾に運ばれた宝物は、その後台中を経て、台北で一般に公開されるようになりました。それが現在台北の士林にある「国立故宮博物院北部院区」です。

北部院区があるということは、南部もあるの? と思われた方、ご明察! 2015年12月、嘉義縣太保市というところに新しく建てられた「国立故宮博物院南部院区」は、アジアの芸術文化に関する展示をテーマに様々な文物を展示しています。

博物院の機能の分散化という目的も兼ねているため、元は北部院区にあった文物が、こちら南部院区に移動している、なんてことも。なので玉の白菜や肉形石など人気の文物を見たい場合は、まずはその文物がいまどちらの院に展示されているかを確認した方が良いのです。

ちなみに、2018年12月現在、国立故宮博物院北部院区は近年中に改修に入り、縮小営業するとも、営業を暫時停止するとも言われています。改修が始まれば、文物がある程度南部院区に移動することが予想されます。

そういうわけで今回は、台湾国立故宮博物院南部院区の行き方、展示内容、その他注意点やちょっとオトクな情報などをご紹介させていただきますね。

故宮博物南部院区へはどうやって行くの?

上にも書きましたが、故宮博物南部院区(以下故宮南院)は嘉義縣太保市というところにあります。

嘉義縣は台南市の北。というわけで台北から出発するのであれば、まずは嘉義市まで南下する必要があります。


もし台北から行くのであれば、一番手っ取り早いのは、台北から台湾高速鐡路に乗って嘉義駅へ行き、そこからバスかタクシーで故宮南院へ行くという方法です。

高速鉄路の嘉義駅を降りたら、33番、105番、106番、168番、7235番、7702番などのバスに乗れば、20分ほどで故宮南院の入り口に着くことができます。

今回は嘉義市内にホテルを取っていたので、出発地点は台湾鐡路の嘉義火車駅となりました。台北から台湾鐡路やバスで南下した方は、概ねこちらがスタート地点になるのではないかと思います。

上の写真は台灣鐵路の嘉義火車站です。駅の向かって左側の方に嘉義轉運站というバスステーションに繋がる連絡通路があります。故宮南院へ行くバスもそこから出ている形です。

嘉義火車駅からバスで行くなら7211のバスに乗れば良いのですが……グーグルで確認したところ、必要時間はなんと1時間40分。車で行くと30分って表示が出てるんですか……。

流石に3倍以上の時間をかけていく気にはならず、行きはタクシーを使用しました(タクシー乗り場は嘉義轉運站のすぐ傍にあります)。

結果、嘉義火車駅から故宮南院までちょうど400元でした。台北から嘉義火車駅行きの台湾鉄道の自強號の代金が片道598元、統聯バスのチケットが休日価格420元ですから、バス代とトントンというわけです。

タクシーの運転手さんとおしゃべりしながらの道行きはとっても楽しかったのですが、運転手さんにも「タクシーは高いから乗らないほうが良いよ! バスで行きなバスで!」と言われてしまいました。

バスを利用して故宮南院ー嘉義火車駅間を行き来する場合なのですが、一つ注意しなければならないことがあります。

帰り道の話なのですが、故宮南院から嘉義火車駅へ戻る最終バスは、5時5分頃に出発するバスが最終となります

閉館時間である17時ギリギリまで内部を見学していると最終バスに間に合わなくなるので、バスを利用される予定の方は時間に余裕を持ってバス停へ向かうようにしてくださいね。

バス停は入り口の石碑の向かって右手の方にあります。

もし万が一バスを逃してしまった場合は、故宮南院の前から伸びる道を真っ直ぐいったところに「嘉義縣政府」があり、その近くのバス停から嘉義火車駅へ行くバスに乗ることができますよ……と、故宮南院から嘉義火車站までの最終バスを乗り逃した筆者からのプチ情報でした。

故宮博物館への道

タクシーで故宮南院という石碑の前まで送り届けてもらったら、すぐ博物院の建物に入ることができる……わけではありません。

故宮南院は巨大な公園のようになっていて、入り口から建物までは更に少し歩く必要があります。大体10分くらい歩くでしょうか。


池の向こうに見えるモダンな建物に向かって、散歩気分でのんびり歩いていきます。

建物に至るまでの道は2通りありますが、故宮南院の入り口へと分かりやすく誘導してくれるのは向かって左側を回る方の道です。

2018年の台湾ランタンフェスティバルは嘉義で行われたのですが、その折にはここ、故宮南院も会場の一部になっていました。

ランタンフェスティバル中は故宮南院が時間限定で無料公開されていて、幸運にもお金を払わずに博物院の中に入ることができました。

故宮博物院はこのように、年に数回無料で参観することができます。無料公開になっている日付の一覧は以下の通りです。

故宮博物院の無料拝観日一覧
  • 1月1日(元旦)
  • 旧暦1月15日(元宵節)
  • 5月18日(国際博物館の日)
  • 9月27日(世界観光の日)
  • 10月10日(国慶節)
  • 10月17日(台湾文化の日)

その他チケットが無料になる条件としては、以下のようなものがあります。

チケットが無料になる条件
  • 18歳未満の方(国籍を問いません)
  • 台湾に留学している方(学生証を持っていってください)

学生の方などは特に、年齢や身分を証明できるものを持っていった方が良いでしょう

チケットの購入方法と、入館前にやることとは?

橋の上を渡ってモダンな建物の中に入ると、右手に階段、左手にチケットの購入カウンターがあります。

ここでお得情報その1。故宮南院でチケットを購入するとき、カウンターの人に、「南北聯卡」を購入するかどうかというのを聞かれます。

通常故宮南院に入館する場合チケットの価格は150元ですが、南北聯卡(350元)を購入すると、3ヶ月以内であればこのチケット1枚で故宮北院も見ることができます。故宮北院の入館料は350元ですから、150元分割引になるというわけですね。

もとは2018年8月までの割引だったようですが、2019年の8月31日まで期間が伸びた模様です。3ヶ月以内にどちらも参観する予定があるという方は、こちらのチケットを購入すると良いですよ!



チケットを購入したら、荷物はカウンターのさらに向こう側にあるロッカーに預けましょう飲み物などの液体や、食べ物を持ち込むことは禁止されているためです。また大きいサイズのカバンを持ち込むことも禁止されています。

写真撮影は撮影が禁止されているもの以外はフラッシュを焚かない、他の見学者の方の邪魔をしないなどといった条件で撮影ができますので、私はカメラとケータイだけ持って中に入りました。写真撮影の条件につきましてはこちらを確認していただくとわかりやすいかと思います。

ギフトショップもありますので、買い物をしたい方はお財布も持っていくと良いでしょう。

常設展にはどんなものがあるの?

故宮南院は参観順路が決まっていて、まずは階段かエレベーターを登って3階に上がります。

階段を登ったところに空港の金属探知機みたいなゲートがあるので、下で購入したチケットをセンサーにかざしながら、ゲートをくぐります。

階下で購入した入場チケットのQRコードをかざして入場する形なので、チケットは手に持っておいてくださいね!

2018年の段階で、故宮南院の常設展示は「新媒體藝術展(アジアの文明を理解のためのデジタルメディア展)」「院藏亞洲佛教藝術之美(故宮博物院収蔵のアジア仏教芸術に関する展示)」「亞洲茶文化展(アジアの茶文化に関する展示)」「院藏玉器展(故宮博物院所蔵の玉器の展示)」の4つです。

前2つが3階、後の2つが2階にそれぞれ配置されています。

院藏亞洲佛教藝術之美より。

亞洲茶文化展の展示から。こんな茶器でお茶を飲んでみたい……!

院藏玉器展より。右の手前にある黒い模様は、玉器の彫刻を写し取ったもの。

私は玉器などの硬い石から切り出されて細かい装飾や彫刻を施されたものを見るのが好きなので、それら展示品がたくさん並べられている中を見て回るのは、本当にもう楽しいの一言につきました。

文物が作られた場所や時代に思いを馳せて、始終わくわくしっぱなしでした。

特別展とその他の企画展

2階の一番エレベーター寄りのところには、特別展として貴重な文物が飾られている小さなスペースがあります。

私が故宮南院に訪れたのは全部で2回ですが、1度目に訪れたときは象牙で作られた「象牙雲龍文套球」、2度目に訪れたときは故宮博物館内で破損し金継ぎで修復された伊万里焼「染付柳鳥文皿」と、その修復の過程などが展示されていました。

象牙雲龍文套球は親子三代、100年の歳月をかけて彫られたものだそうです。

直径12センチほどの球体の表面には9匹の龍の意匠が施され、内部は幾何学模様の透かし彫りをされた24層もの球体が閉じ込められています。各々の球体はみな独立していて、自由に回転できるようになっています。作りが複雑にすぎて、現在ではもう同じものを作成することは不可能だと言われています。

いにしえの時代に生きた人々の技術の高さと飽くなき向上心を感じることができる彫刻品の一つです。

その他のスペースの展示はその時々に行われている企画展によって異なります。

例えばこちらは私が訪れた時に行われていた台湾原住民の文物の展示です。台湾の様々な原住民族の衣服や装飾品などが展示されていたのですが……

実は私、故宮北院の近くにある順益台湾原住民博物館というところでたまにボランティアガイドをしているんですが、順益台湾原住民博物館で所蔵されている文物のうちのいくつかがこちらに来ていました。

まさかこんな所でボランティア先の文物にお目にかかれるとは、と、思わぬ邂逅にちょっとびっくりした件でした。

各々の博物館や美術館では、そんな具合に何度も目にする機会がある文物もあれば、行くたびにすれ違いになって見ることができない文物もあります。

私はどうも肉形石との相性が悪いようで、一度見たきり長らくお目にかかれておりません……。

行ったら目当てのものがなかった! なんてことにならないように、故宮博物院並びに他の博物館に行くときは、予め展示内容を確認してから訪れるようにしてくださいね。

台湾国立故宮博物院南部院区
  • 住所:嘉義縣太保市故宮大道888號
  • 営業時間 9:00〜17:00(月曜定休)
  • http://south.npm.gov.tw/zh-TW

 

台湾が好きすぎて、ワーホリビザを利用し渡台した神奈川県産女子。
ワーキングホリデー期間中に仕事が見つかったのをいいことに、そのまま台湾に(合法的に)居着いて現在に至る。
都市部で美味しいものを食べ、古い町並みや廟を見るのも好きなら、海で泳いだり山を登ったりするのも好きと、
割と節操なく色々なところに出没しては遊び倒している。
主な燃料はコーヒーとミント。
時間がある時はよく新北市や台北市のカフェを巡って徘徊している。
最近は平日は看板猫のいるカフェでだらだらコーヒーを飲み、休日は海か山にいることが多い。

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